住宅 生活

セントラル・ヒーティングがつかない! イギリスの不動産事情とトラブルの数々

2022年11月29日

9月末にバースからオックスフォード近くの田舎町に引っ越しをし、新しいアパートに住み始めました。

今回のアパートは、伝統的なセントラル・ヒーティングです。しかし、私たちは入居1か月たっても使用することができません。このような時、どうすればよいのでしょうか?

今回は、イギリスの不動産の実態と、私が直面した事件の数々を共有します。イギリス生活は楽しいことも多いのですが、大変なことも多いのです。

不動産屋(大家さん)に連絡 これ一択

「セントラル・ヒーティング つかない」と検索すると、イギリスに移住された先人たちがブログで直し方をたくさん紹介してくれています。どれもとっても役立つ情報で、今後使えそうなものばかりです。

ただ、イギリスに移住したてや、新しい物件で右も左もわからない状態でいろいろといじるのは結構怖いのです。

ですので、

不動産屋に連絡

ということを最優先に考えましょう。

物件によっては、大家さんが直接管理していて、不動産屋が間に入らないものもあります。その場合は大家さんに連絡です。

もちろん、ボイラー周りのスイッチを一通り見る等はしたほうがいいと思いますが、相手も「外国人」に家を貸しているわけで、セントラル・ヒーティングの使い方を知らないのは何ら驚くことではありません。

日本で、外国人がウォシュレット・トイレの使い方を知らないのと一緒ですね。

不動産屋さんに、「平素からお世話になってなります。貴社の〇〇のアパートを借りているさとぼうです。あなたのサポートのおかげで、私と私の奥さんは大変幸せな日々のこの新しい町で過ごせております。さて、お忙しいところ、大変申し訳ないのですが、セントラル・ヒーティングの使い方がわからず、これについてご助言いただけないでしょうか。可能であればフラットにお越しいただき、ご教示いただけますと幸いです。どうそよろしくお願いいたします。」

並みの丁寧な英語メールを送信しましょう。イギリスなので、礼儀正しくすることにデメリットはありませんよ!

新しい物件の鍵をもらうときに、いろいろと家の設備の使い方を教えてくれる物件もあるのですが、今回の入居は時間がなくてそれができず、代わりに「いつでも案内したるで、連絡してな」という感じで保留になっていました。

ですので、不動産屋に連絡です。

冷たいただの鉄板なセントラル・ヒーティング

イギリス人もわからない、セントラル・ヒーティングの使い方

さて、連絡した当日に、不動産屋の担当者が来てくれました。

我が家には、セントラル・ヒーティングの問題のほかに、ガスメーターの問題、換気扇がつかない問題も抱えていましたので、すべて一緒に報告です。

もちろん彼女は電器屋ではありませんので、専門知識はないと思いますが、イギリス人なら慣れ親しんだセントラル・ヒーティングを点けられると期待していました。

しかし、「なんやこれ?点かんやん。ええ?これがこーなって、あーなって。・・・無理やな」ということで、この日は点け方がわからず、オフィスに帰ってマニュアルを読み直し解決方法をメールで送ってくれました。

が、彼女が提案した方法に沿ってもセントラル・ヒーティングを使うことができず、また翌日にアパートまで来てくれて直そうとしてくれました。彼女だけでは、難しいことがわかったようで、途中知り合いの電器屋に電話しながらいじったのですが、10分の格闘の後、

あかん、無理やな。電器屋呼ぶで

ということで、今から来れないか交渉を始めてくれました。あいにく、この日は電器屋の都合が付かなかったので、翌日に来てくれることに。

この辺りの対応はとてもいいです。即日対応なんてすばらしい

イギリス人でも直せなかった我が家のセントラル・ヒーティング、いったいどんな問題を抱えているのでしょうか?

1分で解決

翌日、これまたイギリス人の電器屋さんが来てくれました。

彼は、着いて早々にボイラー室とサーモスタットを見ると、

「台所にスイッチあるやろ」

と謎の言葉を発し、見てもいない台所にセントラル・ヒーティングのスイッチがあることを言い当てました。

その後台所に移動し

「このボタン押すんや。ほれ、解決やな」

と、私と不動産屋が散々いじったボイラー室とサーモスタットではなく、台所にある電子パネルがセントラル・ヒーティングの元電源んだったのです。

さすがプロ。その後、タイマーの使い方や、節電・節ガスのアドバイスまでしてくれたのでした。

この件、私たちだけで点けられないと騒いでいたら「これだから外国人は・・・」な案件なのですが、イギリス人の不動産屋さんもわからなかったので、ちょっと安心したのでした。

不動産屋管理物件と大家さん管理物件

さて、今回は不動産屋さんにコンタクトをして解決してもらいました。物件を借りる際、「不動産屋管理」と「大家管理」という2種類の物件があります。

読んで字のごとく、どっちがこのアパートを管理しているかで、何か問題があったときなどの窓口になります。

私はこれまで、イギリスで3件のアパートに住みました。

  • ロンドン:大家さん管理物件(ロンドン東京プロパティ:日本人を顧客にする不動産屋)
  • バース:不動産屋管理物件(Homeltes:地元の不動産屋)
  • 現在:不動産屋管理物件(Hadsons:地元の不動産屋)

これらいずれも大当たりの物件です。

最初の物件は、日本人を相手にしている「ロンドン東京プロパティ」という老舗に紹介されていた物件を借りたのですが、この物件は大家さんの管理物件。

大家さんの管理物件は基本的に避けることが多いです。何かトラブルが起こった時、大家さんが忙しいと平日は対応してもらえないとか、大家さんとの仲の良さを大切にしないといけないとか、いろいろと大変だからです。そして、ロンドンの物件に多いのですが、大家さんが不動産の投資家で、イギリス人ではなく中国や中東の国に住んでいると地獄へようこそ状態。

幸い私の大家さんは近くに住んでおり、とっても親日な方でした。入居の日にお祝いで日本酒をプレゼントしてくれましたし、クリスマスもおかしのプレゼントを送ってくれるほどの人格者。トラブルがあれば即レスポンス、翌日には専門家を派遣して解決、というおそらく不動産屋よりも対応がいい、スーパー良物件でした。

ちなみに、ロンドン東京プロパティの管理物件だと、すべて日本語で対応していくれるのでとても楽だと思います。駐在員時代、多くの人が利用していました。が、その対応は、日本クオリティではなく、あくまでイギリスクオリティーで日本語が話せる程度と思っておいた方がよいです。これは完全に担当してくれる人によります。物件を案内してくれた方は素晴らしい対応でした。

2つ目のアパートは、バースの不動産管理物件。

この物件は、完全に不動産屋が管理しているので、大家さんに会ったことはありませんし、こちらから大家さんにコンタクトすることはやめるように言われるほど、ガチガチに不動産が管理していました。

「Homelets」というバースにしか店舗のない地元の不動産からこの物件を借り、その対応はとてもよかったのです。ただ、この物件自体がHomeletsにとって初めての物件だったとのことで、いろいろとトラブルがありましたが、無視されるようなことはなく無事にMBAを卒業するまで1年間を過ごすことができました。

不動産屋の担当者が一人ついて、何かあったら彼女に連絡するという感じです。細かいことで言えば、大家さん宛ての手紙が届いたけど、どうすればいい?(持っていこうか?取りに来る?中身開けてスキャンする?)ということを聞いたり、大きなことで言えば、窓が壊れて閉まらなくなった、寒い、などを連絡します。この不動産屋もすぐに対応してくれ、緊急事態(窓が閉まらない件)はその日の夜8時ころに修理屋を派遣してくれるほどの神対応です。

私は不動産管理、大家さん管理の両方が大当たりでしたが、はずれを引いてしまうと、住んでいる家を追い出されたり、修理を要求しても「いや、そんくらい大丈夫やろ」と塩対応がかえって来ることも。日本と違って大家さんは家から追い出す権利を持っており、通常、2カ月前に通知すれば追い出すことができると契約書に書いてあります。私の同僚で、大家さんの気分で追い出されてしまった方も実際にいました。

アパートでの事件の数々

今まで、3年以上、合計3つのアパートに住んできましたが、こんな短い期間でもアパートに関して結構な数の事件が発生しています。イギリス名物なのです。失敗談として共有しますね。

最新の事件

2023年に100万円以上のガス代請求が来たお話はこちら:

ガス会社から100万円の請求書が届く

  • ボイラー爆発事件

ロンドンに住んでいたときのお話です。この家は、家の中にボイラー室があり、お湯をためる大きなタンクが設置されていました。タンクの中にお湯をためておいて、シャワーの時や洗い物のお湯を供給します。タンクのお湯が少なくなると水を供給して、温めてお湯にし、それを貯めておくのです。

ある時、3泊4日の旅行から帰ってくると、ドアを開けた瞬間、サウナのような熱気が襲ってきました。

ボイラー室から、水蒸気が続々と出てきて、部屋中が熱により蒸発した水蒸気で満たされていたのです。旅行に行っていたので、いつからこの状態だったのかわからないのですが、部屋中、水蒸気が結露した水滴だらけ、というか水浸しになっていたのです。

本当に焦りました。

この物件は、大家さん管理物件なので、日曜日の寄でしたが、すぐに大家さんに電話で連絡。すると、とりあえずボイラーの電源を切るように教えてくれましたが、そもそもボイラーの電源がわからない。

その間も異常なくらい水蒸気がある触れてきてどんどん焦ってしまいましたが、大家さんが優しく、ブレーカーのボイラー室部分を落として再起動することを教えてくれました。

その操作をした後は、何事もなかったかのようにボイラーは通常運転。あの異常事態はなんだったのか・・・

翌日、さっそく大家さんが電気屋のエンジニアを家まで派遣してくれて、いろいろと検査してくれたのですが、異常は見当たらず。最後に

「旅行に行くならボイラーの電源は切る。これイギリスの常識やで。覚えとき」

と教訓を教えてくれました。その後我が家では、旅行の前は必ずボイラーの電源は切って、それから出かけるようにしています。

  • 超高額の光熱費請求 10万円

ロンドンに駐在して3か月後に電気・ガスの合わせた請求書が届きました。その額10万円超。それまで、日本でしか暮らしたことがなかった私たち夫婦には驚きの金額。これは3か月合計の額なのですが、当時は1か月1万円くらいで生活していましたので、とても驚きでした。

これは、なんら問題はなく、ただ単にイギリスの光熱費が高いというだけ。加えて、この物件はボイラーのお湯は電気で沸かすタイプなので、お湯やセントラル・ヒーティングの利用料金がめちゃめちゃ高いのです。大家さんに相談したら、電気のプロを読んでくれて3人でどうしたら節電できるか話し合いました。スマートメーターを入れ、電気会社を変えて、などなど、親身になって助けてくれたのを覚えています。家の電気をすべてLED に代えて節電したのもいい思い出です。

  • カウンシルタックス 誰やねん事件

ロンドンに住んだときは不動産屋がカウンシルタックスの登録をしてくれるということでした。しかし、なんとなく私たちの名前に見えるのですが、スペルが半分くらい違っている請求書がウェストミンスター市役所から届いたのです。

不動産屋に相談したら、とりあえず払ってくれ、といわれ払ったのですが、どうやって直せばいいや・・・なれない英語で市役所に電話し、修正してもらったのです。不動産屋、あてになりませんね。

  • セントラル・ヒーティングがつかない in Bath

バースのアパートは新築物件で、セントラル・ヒーティングが床下にありました。つまり床暖房。難しい操作は必要なく、部屋の電子パネルをタッチするだけで簡単に利用できたのですが、ある時から一つの部屋のヒーティングが使えない状態に。

さっそく不動産屋に連絡してエンジニアを派遣してもらうと衝撃の事実が。

「このヒーティング、家建てたときに、配線間違えているで。だから使えないんや」

いや、なんで今まで使えていた?すぐに直してくれ無事に利用することができましたとさ。

  • 鍵をくれない

これもバースのお話。私は奥さんと住んでおり、カギは2セット必要です。物件の内覧時に鍵の数を確認し2セットくれるというので、喜んでいたのですが、入居時には1つしかくれず、2つめのセットは「今準備してんねん」と言われ受け取れませんでした。

建物に入るための電子キーと、自分の家のドアを開ける金属の鍵が必要です。不動産屋に催促の連絡をすると、「ほな、鍵を複製したらどうや?費用は後で払ったるで。」と勧めてくれました。しかし、我が家にたどり着くには、まずは電子キーが必要なのですが、これは複製できません。これを伝えると「せやな笑 もうしばらくしたら届くんやない?」と言われ、無事に入居から5カ月後に新しい鍵を受けりました。

  • 出廷命令の手紙が届く

これまたバースのお話。入居してら毎週、ブリティッシュ・ガスというガス会社から請求書が届いていました。請求書の金額は、私の入居以前の期間だったので、不動産屋に連絡し無視していたのですが、ついに、ガス会社の代理店から出頭命令のお手紙が。

手紙のあて名は「Regident」。つまりこのアパートの住人=私。

さすがにやばいと思って、不動産屋に再度連絡。

さとぼう

もう何度もこの件で連絡してるけど、毎回出頭命令が来て怖い。次来たら、担当者の名前伝えて直接連絡するように、相手の会社に言っちゃうけどいいよね?

と不動産屋に連絡すると、不思議とそれ以降は手紙が届かなくなったのでした。

  • 駐車場が違っている?

バースのアパートには駐車場が付いており、不動産屋から「6」番の駐車場を使うように言われました。しかし、その6番の駐車場には、既に車が。しかも、駐車許可証が貼ってあるではありませんか。

そこで不動産屋に連絡すると「9番やった。てへぺろ」と返信が。しかし!!9番の駐車場にもすでに車が。

ただ、この車には駐車許可証がありません。つまり、勝手に使われていたのです。奥さんがしっかりと注意書きを車に残して追い払ってくれました。

  • ガス代はいらん→やっぱり払え

バースの物件には、ガスメーターがなく、不動産屋に何度も確認したのですが、ガス代は払わなくていいとのこと。ですのでガス会社とは契約していませんでした。しかし、退去後に、「やっパリガス代払ってや」と急に7万円くらいの請求が来ました。

この嘘つきが!!

  • インターネットに接続できない

これは以前のブログでも書きましたが、BTというイギリスの大手通信会社から家用のインターネットを引いたとき、利用開始日になっても一向に利用できず、オンラインチャットで助けを求めると、エンジニアが翌々日くらいに来てくれました。。

作業は1分で終了。問題は、BTが登録している番号が間違ってたから使えなかったのだとか。


トラブルは、新居への入居2~3か月に多発し、その後数か月に1ど大きなものがある感じです。

日本のように、便利・快適に生活することはできませんが、これこそイギリス文化や~という広い心を持てば何とか生活できますよ。

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