生活

イギリスのガス代 月5万8千円の悲劇

2022年11月11日

新しい家に引っ越してから早くも1か月が経ちました。以前はバースに住んでいましたが、現在はオックスフォード近くの田舎町に住んでいます。

日本もそうですが、イギリスでも(というか世界中どこでも?)物価の高騰が叫ばれています。中でも群を抜いて「ヤバい」のは、ガス代。コロナやウクライナの戦争などの影響があるようですが、私の家には衝撃的な金額の請求書が届きました。

幾度となくニュースになっているイギリスの光熱費の値上がりの実態をお届けします。今後、私費留学やワーホリでイギリス生活を考えている方は要注意です!

一か月6万円弱の請求

現在住んでいる家はアパートの一室で、不動産屋が管理してくれています。大きさは以前バースに住んでいた時と同じく、寝室が2つ、リビングが1つという間取り。そしてなぜかシャワー室とトイレが二つあります。

私たちは、夫婦それぞれの部屋が必要なので必ず寝室が2部屋必要です。

不動産管理物件であり、この不動産屋は地元に根付いたお店でとても親切。私たちの代わりに水道、電気、ガス、市民税の登録・手続きをしてくれました。

電気・ガスは、「 Scottish Power」という電力会社から供給を受けているのですが、(イングランドに住んでいますが、スコティッシュな会社と契約しています)、彼らから届いた請求書が、月額£340、年間で£41,00のお金をむしり取ると連絡が・・・

日本円になおすと、月額57,800円年額70万円です。。。

うわっ・・・私のガス代高過ぎ・・・?

総務省の統計では、日本での夫婦2人暮らしの水道光熱費は平均2万円。約3倍です。しかも上の金額には水道は含まれていません。

つい最近まで、ニュースでガス代が跳ね上がるだとか、電気代がめちゃくちゃ高くなるということは聞いていましたが、ここまで跳ね上がるの?石油会社が超大もうけしたってニュースになってたのは超値上げしたから?

ちなみに、バースに住んでいた時は、ガスと電気合わせて1万2,3千円でした(それでも高い)。

10月は結構寒かったですが、一切暖房はつけておらず、節約に節約を重ねた状態なのに超高額な請求に度肝をぬかれてしまったのです。

ちなみに、暖房は自主的につけていなかったのではなく、付け方がわからずに悪戦苦闘していたのです。つい最近、不動産屋さんがフォローしてくれてやっと暖かい家にすることができました。これは別のお話でまとめますね。

最新の事件

2023年に100万円以上のガス代請求が来たお話はこちら:

ガス会社から100万円の請求書が届く

ガス・電気代の大幅な値上げ

10月1日からガス・電気代が大幅に値上げされるとアナウンスされていましたが、日本人の私には所詮数百円でしょ、となめていたので全く値上げの情報を気にしていませんでした。

そこで、せっかくなのでどのくらい価格が上昇したのかまとめます。よくある、ブログで電気代が3倍になった、ってのは100%ウソが判明。ただし、日本人にはびっくりするくらいの値上げです。

いや、全然3倍じゃなくない?「p」というのはイギリスのお金の単位で、£1以下をペンスといい、1pとか99pとかって言います。1pは1.7円くらい。計算めんどくさいね!

使用料金は、電気やガスを使った分だけ、この費用が掛け算されて、値段が計算されます。

設備代は、毎日固定でかかるので、これを×30日分や×31日分すると一か月の設備代がでます。ですので、設備代は、一か月で£21から£22になったくらいの影響しかありません。170円くらい増です。

しかし、表をみるとお分かりの通り、設備代はほとんど上がっていない一方で、使用料金が2割の値上げです。ガスは25%。

巷で騒がれている3倍の値上げとはどういったことなのでしょうか?ここで確実に言えるのは、今回の10月になった値上げでは、光熱費は3倍にはなりません。せいぜい、3割くらいの値上げ。(それでも日本人の感覚では驚き。)

「3倍」という数字にはからくりがあったのです。

それは、昨年の冬から、今年の冬の終わりを比べると3倍になるんじゃね?なりそうじゃね?なるっぽくね?というお話。確かにウクライナ・ロシア間の戦争が起こってからガス代が跳ね上がり、今年の4月からガス代もかなり上がっています。ここ1年で3倍ってのも案外ほんとうなのかも。これはある会社が出した予測らしいのですが、(そしておそらくここが噂の根源)

昨年の冬:£1,277/年

今年の10月1日:£2,100/年

来年の1月1日:£4,255/年

という予測です。確かに3倍以上。でもちょっと待って。あと3か月で光熱費2倍になるの?本当?ど、ど、どうせウソでしょ?(ウソであって、お願い!)

ちなみに、この会社の当初の予測では、10月1日の値上げで、£2,100/年ではなく£3,549/年としていました。大外れしとるやないかーーい!やったー。次回も大外れしてくれーー

パブの暖炉です。あたたかい。これならガス代・電気代は無料!

やるやん、イギリス政府

ある日、私のガス・電気会社のアカウントに、£66(約1万円)という不思議なお金が振り込まれていました。なんやこれはーと思って放置していたのですが、翌月にも同額が振り込まれているという不思議な現象が。

調べてみると、イギリス政府が「市民の生活めっちゃヤバいやん!いや、マジで生活できなくなるで・・・そや、各家の光熱費代として£66毎月払ったろ。」ということで、政府があまりにも急に高額になってしまった光熱費をカバーするために毎月1万円くらいの補助をしてくれています。

我が家では、暖房をつけずに毛布にくるまっているので、今回のような超高額請求でなければ、光熱費は政府のおかげでほぼ浮くような計算だったのですが。

イギリス文化「estimated」の罠

節ガスをしている私たちの請求書には、使用量のメーター数値のわきに「estimate」という文字が

日本では考えられませんが、イギリスのガス・電気のメーターは利用者がメーターを読み取ってガス会社に報告しなければなりません。それも毎月。そうすると、「real」というメーターの値が請求書に記載されます。

「estimate」は利用者が実際のメーカーをガス会社に連絡しなかったので、ガス会社が「こいつの利用傾向ならこんくらいやろ、ほなポチっとな」と適当に見積もった値ということです。

つまり、私が受け取った請求書はガス会社が勝手に見積もったもの。しかし、私はしっかりと使用量を報告していたので、estimateになるはずがありません。

なにかがおかしい・・・

違うフラットのガス代を払い続けていた

請求書をよく見てみると、登録されているガスメーターのシリアル・ナンバーが微妙に違っていました。私が提出したメーターの値もすべて無視されて、単位が全然違うメーターを予測値を使って、私たちの使用量の10倍くらいの値で請求してきたのです。

これは私が移り住んだことによる間違いではなく、以前からあった間違いのようで、以前の住民はこの間違ったメーターの料金を払い続けていたのだとか。現在、この問題を解決するために、大家さん・不動産屋さんと協力して電気会社と争っていますので、これは別の記事にまとめますね。

いや、マジで信じられないことが起こっています。。。さすがイギリスやで! MBAの知識全く役に立たへんで!


ただでさえ高いイギリスの光熱費は、10月を境に一気に値上がりしました。しかし、巷で噂の「3倍高くなる」にはちょっと待って、という感じです。現在の私の請求は5倍くらい高くなっていますが、これは、まったく別の問題ですので、おそらく今回の値上げでは2割くらいの値上げです。(と信じています)

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