
「海外MBAに興味あるけど、会社にMBAの制度がない!私費しか選択肢がない!」
「でも、私費って社費よりどのくらい大変なのか検討もつかない・・・」
1年間の私費留学を終えましたが、30代で既婚の私は、1年半前、上のような問題を抱えていました。
すべてを自費で賄うため、当時は費用について大きな不安があったことを覚えています。
ですでの、この記事では、私の実体験をベースにいったい私費留学は社費留学と比べてどのような点で余計にお金がかかり、いくらかかるのかを共有します。
また、「会社の支援を得ず、自ら海外留学する」ことの手間なども記載しています。
これから留学を目指す方、また、ふんわりとでも留学を考えている方には具体的な必要資金がわかりますので、是非ご一読くださいね。
ポイント
- 社費留学と比べて1000万円以上お金がかかる
- 各種手続きをすべて自分でやらないといけない
- カウンシルタックスという難しい制度があり、下手をすると数十万円のロスになる
- 会社を辞めるのも大きな手間(年金、税金の手続きを含む)
- 田舎では、日系サービスがなく自分の英語で頑張らないといけない
お金がかかる
当然ながら、私費留学ですので、学費をはじめ生活費などすべてを自分で支払うこととなります。
私の場合、夫婦二人で1,000万円以上のお金が溶けていきました。
はじめの見積もりは800万円程度だったのですが、家探しの苦戦や歴史的な円安(ポンド高)、光熱費の高騰など様々な影響を受けて支出がどんどんと増えてしまったのです。
私費留学の金銭面でのデメリットは、以下の費用を自分で支払うことです。
私費留学特有の費用
- 学費:200万円~1,500万円。バース大学MBA 600万円
- 家賃:バースは2ベッドルームで20万円~30万円/月
- VISA申請料金:通帳翻訳などの諸費用
- HIS料金:一人10万円
- 渡航費:直行便は25万円
- カウンシルタックス:20~50万円/年
生活費、光熱費、ネット代などは社費の留学でも支払わなければいけませんが、一番のデメリットは、

収入がない
ことです。
ざっくり計算しても学費と家賃で850万円、その他渡航費等で1,000万円以上は自分で払わないといけません。
社費であれば、勉強中も(遊んでいても、旅行していても)お給料をもらえるというボーナスステージ状態。
ですが私費の人は、毎日減っていく通帳残高を眺めながらの生活となりますので、これにストレスを感じないように覚悟が必要です。
ちなみに、パートナービザで渡英した奥さん(または旦那さん)は、ほとんど制限なく働くことができますので、私のクラスメイトの奥さんはアルバイトをしていました。
現地での支出も多いですが、実は渡英前の書類申請などから結構お金がかかります。
VISA申請もプライオリティサービスを使うと10万円がすっ飛びます。
学費については、是非奨学金を獲得しましょう。
私が受験した2つのMBAは両方とも書類審査合格後の面接にて大学の奨学金(授業料一部免除)のお話があり、その後合格通知と一緒に一部免除後の授業料が提示されます。
「費用に限りがある私費留学は、奨学金が神制度といっても過言ではない」のです。
これによって数百万円の支出を抑えることができます。
免除率は学生によって違いますので、面接時に私は優秀だという雰囲気、大学に貢献したい感を丸出しにしましょう!
「日本人は、遠慮しがちで自分を表現するのが苦手」というのはとってもよくわかります。
ですが、面接相手は外国人ですし、日本人の文化など知りませんので、積極的にアピールしてデメリットとなることはありません。

カウンシルタックスの罠
先ほど、パートナーは制限なく働くことができると言いましたが、パートナーが働くことでイギリス政府が仕掛けた罠が発動します。
本来払わなくていいのに、パートナーが働いた瞬間にカウンシルタックスの75%を払わないといけません。
さすがイギリスやで!
イギリスの家を借りるとき、その家に「住む人」は、カウンシルタックスという日本の住民税に似たようなものを支払わなければなりません。
このカウンシルタックスは、住んでいる不動産の価値によって決められており、一番安いバンド(band)Aから高いバンドHまであり、大体年間20万円~50万円です。
ご参考までにバース市のカウンシルタックスの価格です。
Band | 金額 (1年間) | (日本円:£1=160 円) |
Band A | £1,261 | 20万円 |
Band B | £1,471 | 26万円 |
Band C | £1,681 | 27万円 |
Band D | £1,891 | 30万円 |
Band E | £2,312 | 37万円 |
Band F | £2,732 | 44万円 |
Band G | £3,152 | 50万円 |
Band H | £3,783 | 60万円 |
カウンシルタックスは基本的に家賃には含まれておらず、住人が自分で登録している役場に支払いすることとなります。
このカウンシルタックス、学生は支払う必要がありません。
大学の寮に入れば自動的にカウンシルタックス免除となります。
ですが、寮出ないアパートに入る場合、すぐさま自治体からカ「ウンシルタックス払えよ」という請求書が届くので、こちらも免除の申請をして、無料(もしくは払い戻し)にしてもらうのです。
単身で学生の場合は、完全に支払う必要はありません。
そして!パートナーが、配偶者ビザで働いていない場合だと、パートナーも支払わなくていいとう免罪符もあります。
私は当初、奥さんは働くことはできるので支払わないといけないと思っていたのですが、自治体に交渉したら免除になりました。
以下、バースの自治体に掲載されている、配偶者のカウンシルタックス免除の情報です。
This applies if you are a non-UK citizen who is a partner, spouse, child or other dependant of a full-time foreign student, and are not allowed to work or claim benefits in the UK (Class N).
何事も聞いてみるものです。
この情報はすぐに同じ境遇のクラスメイトにシェアしました。
彼はすでに支払ってしまっていたので、のちに全額返金を勝ち取ることができたのです。
一方で、当然ながらパートナーが働いている場合は、カウンシルタックスの納税義務が復活します。
この場合、普通の家庭に学生がいるということになり、バースの場合は従来のカウンシルタックスの75%を支払わなければなりません(つまり学生がいるので25%割引してあげるよ、という意味)。
これは私費留学生、特に家族で渡英し、プライベートのアパートに住む学生の大きな悩みの一つです。
なにせ額も大きいし、手続きがめんどくさい。全然電話つながらないし。

手続きめんどくさい(退職、年金、ビザ、住民票・・・)
自らすべてのことをやらなければならない上に、退職手続きといった超絶煩わしいことも同時並行でやっていかなければなりません。
大変幸いなことに、私が直前まで勤めていた会社の人事の方はとても丁寧に対応してくださり、手続き面ではほとんど苦労はありませんでした。
(それでもめんどくさい。年金の支払いとか、住民票を抜いたりとか)
一方で、上司などへの説明は超超超めんどくさいです。
「頑張れよ!」と応援していただく方もいれば、「は?今まで育ててやった恩は?」的な雰囲気を出してくる人も当然います。
お気を付けください。
冗談はさておき、本当にめんどくさいのは、VISAの申請から生活のスタートアップまで。
VISA申請
大学から合格をもらい、入学する意思を固めると大学側から、VISA申請に利用する特別なコードが送付されます。
これをもとに、webサイト経由でVISA申請スタートです。
申請書類には、銀行口座の過去3か月間の取引明細(英語)や、戸籍謄本の英訳版なども求められ、これらすべて自分で翻訳会社を探して、お金を払って、納品物をチェックして・・・といったことが必要。
普通に丸々数日が消費されます。
巷にはVISA申請代行者なるものがあり、翻訳を含めた申請手続きのすべてをやってくれ、本人は受け取りにVISAセンターを訪れるだけ、という便利サービスがあります。
ですが、私費留学で資金の限られている人にとっては関係のない話。
航空券予約、現地空港から大学までの交通手段の手配
これらは社費の人でも自分でやるかもしれません。
が!!私費の場合は、いかに安く効率よく行けるかを考えると、とっても悩ましいのです。
時間をとるか、お金を取るか、また航空会社によって預入荷物の重量や個数が違うので1年の留学を考えると大いに越したことはないのですが、その分料金が・・・というジレンマが発生します。
社費の場合、日本から荷物を送るということもできますが、これは船便(到着まで3カ月くらいかかります)でも最低10万円からで航空便は、私が存じ上げないほど高いはず!(使ったことがないので)。
家探し
当然、家探しも自分でやらなければなりません。
このブログの設立当初は、毎日家探しに苦戦している記事です笑
ロンドンであれば、日系の不動産屋があり、駐在員御用達なのでお金さえあればそこにお願いすることもできます。
ですが、一般的な不動産価格よりも割高な上、駐在員向けですので私費留学で資金に限りがある場合は結構難しい金額。
ローカルの不動産屋にいきましょう!
しかし、不動産契約は完全に私費留学のデメリットが出ます。
まず、不動産は月額家賃の30倍の収入がないと借りることができません。
例えば、月£1,500(24万円)であれば年収720万円といった具合。
社費であれば会社が証明書を出してくれますが、私費留学、つまり会社を辞めているので収入は0円となり、家を借りるステージにすら立てていません。
光熱費、ネットの契約
ロンドンには日本人をターゲットにしたインターネットの契約プランがあり、超割高な金額を払えば、めっちゃ遅いインターネットを自宅に簡単に引くことができます。
一方で金額を抑えたい場合は、自分でローカルのインターネットプロバイダーに申し込みする必要があります。
また、水道、電気、ガス会社とそれぞれ契約をしていかなければなりません。
もちろんすべて英語です。
光熱費関係の契約は、契約時に不動産屋が同時にやってくれる場合と、自分で勝手にやれパターン、さらに不動産がやっておくと言いながらやらないというパターンがあります。
この辺りも不動産屋と蜜に連絡を取って確認しないと急に信じられない金額の請求書が届きますのでご注意を。

現地就職は見つからないが当たり前
私費留学の場合、卒業後は新しい仕事を探すという人が多いはず。
早い人は3月ころから本格的に就職活動を始め、内定をもらえるのは早くて7月くらいでした。
これは完全に大学のバリューによるのですが、残念ながら私の通っていたバース大学は就職においては「無価値」です。
世界ランキング100位に入ったとか言っていますが、現地就職を目指すクラスメイトの総意です・・・
現地で就職をしたいという外国人MBA学生のうち、約半数が就職先を見るけることができ、残りの半数は卒業した現在でも就職活動中。
そのうちの半分はやむを得ず自国に帰ってイギリスの就職を目指し、残りはイギリス国内で友人の家や長期のAir B and Bで滞在しながら就職を探している状況です。
半年以上も就職活動をしているのに、そのうちの半数が決まっていないという現状。
幸いにも私は、イギリスのコンサルティングファームに就職が決まりましたので、イギリスに残っています。
しかし、現地就職を決めた多くの学生が、以前の職場よりも給料が下がっています。私も同じ。
つまり、バース大学MBAの卒業後進路は、とっても厳しく、給料アップした就職はまず見込めないというのが常識です。
また会社が滞在許可(ビザ)を発行してくれたケースは、40人中たった1人だけ。
おそらくロンドン・ビジネス・スクールなどのトップ校であれば就職は引く手あまたなのでしょうが、それ以外の国内5位以下の大学はすべて同列に取り扱われるので、同じように就職に苦戦することが想像できます。
現地就職を目指すならば、是非イギリストップ校に行ってくださいね。
田舎(バース)ならではの苦労
私が通っていた大学はバースという田舎の都市にあり、ロンドン駐在時代に比べていくつかの苦労が浮き彫りとなりました。
日系サービスが存在しない
田舎には日本人がほとんど住んでいません。
ですので、日本人向けにサービスを展開するしている企業は残念ながらありません。
この状況によって、上述したように、家探しの時に現地の不動産屋を訪れて交渉したり、ネットなどの契約もすべて英語でやることとなります。
また、日本の食材を扱うスーパーもありませんので、中華スーパーの片隅に置いてある日本の食材(ラー油など)を購入することとなります。
幸いなことにキッコーマンの醤油やS&Bのワサビは大手スーパー(Sainsbury's, waitrose, TESCO)にはありますので、日本の基本的な味はいつでもご家庭で楽しむことができます。
少し大きなスーパーには味噌も売っていますよ。割高ですが。
パートナーが孤立する恐れあり
本人は大学のクラスメイトと親交を深められるので、孤独を感じることはありませんが、パートナーは日中話し相手がおらず孤独となってしまう可能性があります。
社交的で現地の人とコミュニケーションをとるのが苦にならない性格であれば問題ないのですが、内向的で英語を話すのを躊躇するような性格ですと、世間から隔絶状態となり、特に話し相手がいない日中に孤立状態となってしまいます。

わたくしも孤立しかけましたのよ。幸運なことに、お買い物中にボランティアに誘われて、救われましたの。
奥さんは内向的過ぎて、日本人たっぷりなロンドンにいるにも関わらず世間から孤立していました。
そこに公園を掃除しているボランティアのハーマイオニーから声をかけてもらい、週に数日ボランティアに参加することで、コミュニティに参加することができたのです。
しかし、田舎にはこのような機会も限られてしまうのが事実。
このような背景があってか、田舎で日本人に会うと話しかけられることがありました。
ブリストルという都市に行ったときは道端で大学生らしき女の子が私たち夫婦に対して「日本人に会えて本当にうれしい!じゃあね!」と言って颯爽と走り去っていきました。
よほど日本語を話したかったのでしょう。
旅行に行くにはちょっと不便
私費、社費関係ありませんが、旅行、とくにヨーロッパに行くならばロンドンが一番アクセスがいいです。
4つの空港があり、鉄道でパリやブリュッセルにも行けますので。
一方、バースに住んでいると、ブリストル空港という国際空港があるものの、料金は割高、アクセスも限られることとなります。
ただバースから2時間でヒースロー空港まで長距離バスで行けますので、そこそこのアクセスの良さがバースにはあります。

以上が、私費留学と田舎大学の苦労です。
お金の面を除けば、生活のセットアップさえしてしまえば住めば都状態となりますので、9月末に入学の場合、10月中旬くらいからは現地の生活を楽しめることかと思います。
現地での就職活動は本当に大変ですが、社費留学の人と違って、最低でも卒業後2年間はイギリスに残ることができますので、イギリスが好きな人は私費でも十分に留学する価値があるかもしれません。