MBA

タダでピザを配る授業 Business Analytics データからビジネスを切る

2022年4月22日

バース大学のMBAカリキュラムは、必修科目と選択科目に分かれていて、選択科目は6〜9クラスくらいを選びます。

その中で、Business Analytics(ビジネス分析)を履修したとこと、奇妙なフィールド・ワークがありましたので共有しますね。日本の大学、少なくとも私の出身校では考えられないプログラムです。

しっかりと分析しましょう

授業のコンセプトは、データを集めてからどのように分析するかというもの。

今までの仕事の経験で、アンケート集計をしたことがあるのですが、単純に円グラフにしていました。0点です。

授業ではどのようにデータをまとめるか、例えば回答者の年齢とアンケート結果の傾向を出すにしても、5個くらいの方法があって、それぞれを試して一番有効な方法を探す、そしてそのまとめた方法にはしっかりとした研究結果があるので、上司にも説得力を持って説明できるというものです。

もちろん、ただ数字をいじくりまわして「ハイ、どうぞ」とボスに渡してしまったらクビ。「だから何や?」の質問の回答を持っていなければなりません。

社会人時代に知っておきたかったことばかりで、もしこれから似たような仕事の機会があればどれも役立つことばかりです。

一方で、分析方法の理論はかなり専門性が高く、私を含めクラスメイトが講義についていけてないことを教授が悟り

バースおやじ

大事なのは自分ですべてやることやないで!分析の雰囲気を感じ取るとこや!

と理解できていない私たちに励ましの言葉も。授業の後半はプログラミングの話とかになってきて、私は完全にお手上げ状態でした。

サバイバル・バイアス

授業の中で面白いものがありました。その名も「サバイバル・バイアス」。第二次世界大戦中、戦闘機のエンジニアたちは、敵に狙撃された戦闘機のどこを強化したらいいのかを考えました。以下の図は、戦闘から戻ってきた戦闘機が被弾していた場所です。

翼や、機体の中心部にたくさんの攻撃を受けた跡がありますね。皆さんは戦闘機の生還率を高めるにはどこを強化すればいいと思いますか?

バースおやじ

よっしゃ!翼を強化したろ!これで万全や!!! と思ったやろ?

さとぼう

はい

バースおやじ

片腹痛いわ!赤い点は、攻撃されても生き残れる証や!

さとぼう

はい

このデータは「生還した戦闘機」を分析したもので、撃沈してしまった戦闘機のデータは反映されていません。ですので、赤い点は「攻撃されても生還できる場所」であり、一方で、エンジンや操縦室あたりには赤い点がなく、ここに攻撃を受けると生き残れない、これが正解でした。

生き残った者のみに焦点を当ててしまいそれ以外の事実が見えなくなってしまうのが、「サバイバル・バイアス」とのことです。みなさんも、戦闘機の分析をするときはこのバイアスに気をつけてくださいね!

最適解を見つけるのを効率的に

話は変わりますが、レストランのメニューや企業の製品開発で、たくさんの選択肢がある中でどれを選び、比較すればよいのかということも習いました。

この授業ではピザを例に挙げることが大好きな教授によって講義されましたので、ピザの例となりますが、最高のピザ1品を提供するためにはどうすればいいのか、というとこを分析します。

皆さんご存じの通り、ピザの選択肢はたくさんありますよね。生地、ソース、チーズの量、トッピングと分類してそれぞれの選択肢も3つ以上あります。特にトッピングは20種類くらいあるのではないでしょうか? 

生地(3種類)、ソース(3種類)チーズの量4(3種類)トッピング(5種類)とすると、すべての組み合わせは、3×3×3×5=405通りのピザが生まれてしまい、この中から最高の一品を選ぶのは至難の業。

ここで、Business Ananlyticsの「コンジョイント分析」という考え方を使って、405ピザではなく、10-20ピザに絞ることができ、これらのレビューを集めることですべて項目の得点を導き出せるのです。とっても便利ですね。

実際にやってみよう - ピザのレビュー集め

この授業の魅力は、無料で学生にピザを配ってそのレビューを集めて分析すること

ですが!!この実験(?)は木曜日に実施されたのですが、私たちがこのことを知ったのは火曜日の夜。全然詳細を知らされておらず、そもそも誰がピザ代を払うのか、いつ、どこで、何の目的でやるのかも曖昧なまま火曜日の夜からグループで準備に取り掛かりました。

各グループ15,000円の予算内でピザを複数枚注文し、そのレビューをバース大学の学生から集めるとうことが判明。まずはどのようなピザにするのか、そしてどこの宅配ピザに何枚注文するのかを決め、木曜日当日の午前中にピザを注文することに。

ここでとんでもないハプニングが。なんと、バース市内のどこかの橋が通行止めになったそうで、バースのすべての宅配ピザがこの日は宅配不可になってしまいました。途方に暮れる中、1人の学生がドミノピザバース店に電話をして交渉したところ、なんと宅配してくれることに!

彼は、以前リスクマネジメントに関する仕事をしていて、このような想定外な事件には

MBA学生

慣れっこや

とのこと。救世主です。

無事、ピザ9枚が到着し、13時から大学の敷地内で無料ピザ店を開いたのですが・・・

理外の大雪!!

クラスメイトが撮ってくれていました。大雪です。

そもそもバースで雪が降ること自体が珍しいのに、3月下旬の30分前まで晴れていた時に降るとは・・・

さっきまで暖かかったピザも冷凍ピザと間違えるくらい冷えてしまいました。

こんな冷えたピザを無料とは言え食べてくれる人はいるのか、と思ったのですが、そこはさすが若い大学生たち。まったく気にせずにぞろぞろと群がり、むしゃむしゃとたいらげてくれました。

このピザ実験に関するレポートは5月のはじめに提出です。そろそろ書き始めないといけない・・・


とても役立ちそうな授業のBusiness Analytics。

戦闘機からピザといった幅広い分野で活躍していますので、みなさんも気になったら勉強してみてくださいね!

そういえば、MBAのリクルートメントチームから、日本人の学生がもっと欲しいと相談されましたので、もしバース大学MBAに関心がある方がいらっしゃいましたらコメントにてご連絡ください(コメントは公開しませんのでご安心を!)。

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