生活

サウサンプトンへの日帰り旅 後編 日本人に知られていない静かな都市

2021年12月31日

前回のブログの続きで、サウサンプトンへの旅行の共有をします。

前編はこちら:サウサンプトンへの日帰り旅 前編(2021年12月30日)

街の中心部へ戻る

トルコ料理店での大満足な昼食を終えた後、再びバスで街の中心部に戻ります

行き先は、「アンティークセンター」。午前中に行ったお店と同一チェーン店でした。

街のど真ん中にあり、建物もとても綺麗。

入ってみると、午前中のお店とは打って変わって、おしゃれな商品ばかり

1階建てで狭いです。でもとってもいい感じ。

残念ながらあまり広い店舗ではなく、通路を広々と取っているため商品数が少なめ。

奥さん

ここはわたくしの好みではございません。

ということで何も買わずに10分で退散しました。ちなみに、ロフトのように小さな2階部分があってそこがカフェだったので休憩しようとしたのですが、「あと10分で閉まるぜ」と言われ諦めました。(カフェは15時閉店だった模様)

その後は、ついに私の希望していた海沿いに行きました。ただ海の方に行きたかっただけです。

その手前、なぞの歴史的建物が。

なにかの門?市民は素通りしています。
こちらは崩れかけている塔(?)

イギリスの南側に位置している街のため、昔はよくフランスからの侵略を受けていたのでしょうか?そのためか、壊れかけた歴史的建造物を特に海に近いところでたくさん見かけました。

港に着くと、ちょうど近くの島「ワイト島」への連絡船の出港時に出くわし、奥にはなんと大きな貨物船の姿が・・・

人・車・物資を乗せてワイト島に向かう連絡船。15時過ぎですがすでに夕方みたいです。
連絡船出港後の港。奥の方に貨物船が・・・
ズームした写真です。たくさん貨物を積んでいますね。

サウサンプトン港がしっかりと物流拠点として機能していることを見ることができ、とても満足です。テレビの出ていた場所に実際に行ってみたときの感動に近いものを感じます。

ショッピングセンターへ

その後、帰りの電車(17時)まで1時間半くらいあったので「Westquay Shopping Centre」という巨大なショッピングセンターに行きました。

多くのブランドが店を構え、クリスマス後のセール中だったので、店内は大混雑。中には、「John Lewis」という「そごう(Sogo)」みたいなお店が入っていて、屋上にカフェがありました。混雑の苦手な私達は早々に屋上のカフェに避難。

カフェはとっても空いていました。
イングリッシュ・ブレックファースト・ティーとアールグレイをそれぞれオーダー。今まで同じ味だと思っていたのですが、飲み比べてみると全くの別物。

電車の時間まで、外の景色を見渡しながら奥さんと談笑し、無事に帰路につきました。

帰り際に、John Lewisをパシャリ。イルミネーションが綺麗です。

サウサンプトンという街 - EU離脱との関連

サウサンプトンは港町。前回のブログのとおり、人口25万人の比較的大きな街です。

街の中心部はモダンな建物が多く、巨大なショッピングセンターやレストラン街があります。

さて、港に目を向けてみると、クルーズ船の拠点になっていたり、貨物船が行き来しています。

つまり、物流において海のEUへの玄関口。EU離脱した後に重要となる(大混乱する)場所として、2018年頃はよくニュースに名前が出てきていました。

なぜ、イギリスがEUを離脱してしまうと、港が混乱してしまうのでしょう??

それはEUという国の集まりの中では、商品を自由に移動できるという制度があるからです。通常、イギリスから日本に商品を取り寄せる(輸入する)時は、税関を通ってその商品を検査します。また関税がかかったりもするのです。

ですが、この手続は政府として販売者としても面倒くさいので、仲のいいEU加盟国ではこのシステムを撤廃してしまおうということで、モノが自由にEU加盟国間を移動できるのです。

そのため、今までは例えば、スペインからイギリスにオレンジを輸入する時もなんら手続きはいらなかったのですが、もしイギリスがEUから離脱すると、通常の輸出入のように今まで必要でなかった税関の手続きが必要になってしまうのです。

税関手続の場所、システム、人などありとあらゆる資源がもともと配置されていないサウサンプトン港に、EU離脱と同時にこれらを配備できそうになかったので、EU離脱後は物流が大混乱すると言われていた訳です。

わかりやすく例えると、東京から北海道に商品を送る時、税関もなければ関税もかかりません(EU域内では日本の都道府県のようにモノを移動できる)。しかし、EU離脱をしてしまうと、突如、北海道と本州の間にある津軽海峡に国境ができ、そこを行き来するすべての商品を検査し関税を取る、送る人は申請書を書かなければならない、ということになったらとっても面倒くさいですよね?というか、北海道へのすべての入り口(道路、海路、空路)に検査所を作りすべてのモノの移動を管理するのは急にはできません。また、白い恋人は、東京で買うには「北海道からの輸入品」になって関税(+税関申請のかかる手数料分)が上乗せされ価格が高くなるのです。

ちなみに、サウサンプトンはイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票で「離脱」が過半数を占めています(離脱:54%、残留:46%)。街の人はEUという組織に嫌気がさしていたのでしょうか?

EU離脱などをニュースで見て学ぶのは簡単ですが、実際に街に行ってみて、どういう船があるのか、街の暮らしはどうなのかを見てみると、事前の知識とは大きく違った印象を受けます。

ブレグジットに関して言えば報道は悲観的すぎで(特に日本のニュース・新聞)、実際にイギリスに住んでいる人は楽しく笑顔で生活しています。


全然観光名所に行かなかったサウサンプトンへの旅。一方でガイドブックには絶対に乗っていない、イギリスの楽しみ方を紹介しました。

みなさんも観光名所だけでなく、現地の生活感に視点をおいて旅をしてみてはいかがでしょうか?

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